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高血圧と歯周病の関係:降圧剤の薬の副作用

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1.高血圧と歯周病の関係:特徴的なこと


高血圧と歯周病って関係があるってあなたは知ってましたか。
このことは、内科の医師でも意外と知らないかもしれません。高血圧の人には次のような特徴があります。

  • 降圧剤の中でもほとんどのカルシウム拮抗薬(アダラート、ワソラン、ヘルベッサー、ペルジピンなど)には、副作用として歯肉増殖を起こすため歯周病のリスクになる。
  • 降圧剤の中でもアダラートは、口内乾燥を起こし、歯周病のリスクになる。
  • 歯周病は、高血圧の人では健常者の約1.5倍多いと言われている。

2.歯肉増殖とは?

薬剤性の歯肉増殖で、最も頻度が高くて有名なものは抗てんかん薬であるフェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)です。最近では、新しい抗てんかん薬がたくさんありますので、使用頻度は随分少なくなってはいますが、昔から飲んでいる方もおられます。発生頻度はこの薬剤をのんでいる人の約50%です。

抗てんかん薬の他には、カルシウム拮抗薬、免疫抑制薬(臓器移植などを受けた時に服用する薬)が知られています。
カルシウム拮抗薬の場合の発生頻度は10-20%です。

歯肉増殖は、カルシウム拮抗薬によって活性化された歯肉中の線維芽細胞(せんいがさいぼう)が、基質を多量に産生することと関連があるようです。

増殖の部位は、前歯に最もよく見られ、抗てんかん薬もカルシウム拮抗薬も同じような所見です。ひどい場合には、歯が埋もれるほどに増殖します。

歯肉増殖

(出典:http://dent.cocolog-nifty.com/dent/2008/02/post_a4fd.html)

3.歯肉増殖が起こると歯周病になる

歯肉増殖が起こると、歯周ポケットが深くなりそこに歯石がつき歯周病が起こりやすくなります。そして、歯周に炎症が起こると歯肉増殖がさらに助長されて悪循環が形成されるのです。この状態を改善するには、口腔内清浄を保ち、歯周プラークコントロールが大切になりますが、歯肉増殖が激しい時には手術的にこの増殖した歯肉を除去することも行われます。

もし、可能であれば、薬剤の変更を考えるべきでしょう。
高血圧の場合、カルシウム拮抗薬以外の降圧剤を選択することが可能でしょう。

4.口内乾燥

口腔内乾燥についても、アダラートから別の薬剤に変更するのが最も手っ取り早いのですが、それが不可能であれば、頻回のうがいや、唾液分泌を促す薬あるいは人工的な唾液を使用する方法があります。

  • おすすめうがい薬:アズレン含嗽剤(アズノール・ハチアズレなど)
  • 口腔に損傷があるときは抗炎症作用と治療促進
  • おすすめ人工唾液:サリベート

5.高血圧の人の歯科治療の問題点

  • そもそも高血圧の人は血圧が上昇しやすい
  • 歯科治療に対する恐怖心、緊張、痛みによる刺激などで、カテコラミン(昇圧物質)が分泌されさらに血圧が上昇する
  • 局所麻酔薬に含まれる血管収縮剤(エピネフリン)が体内に入ることにより、血圧が上昇する
  • 血圧が上昇するとドキドキと動悸がおこり、さらに血圧上昇をきたす悪循環に落ち入り人によっては気分不良となったり、脳卒中や狭心症・心筋梗塞を誘発することがある
  • 血圧が上がることにより、歯科治療時の出血が起こりやすくまた、止血も困難になりやすい
  • 最近、高齢者も多く、高血圧の方で脳梗塞や狭心症などで抗血小板薬や抗凝固薬も内服している方があるため、この場合は特に止血困難となる

6.歯周病は高血圧の人では健常者の約1.5倍多いと言われている

歯周病というのは、歯周病原性細菌によって引き起こされますが、この菌が血中に入り込むとどうなるのか。歯周病原性細菌であれ脂質異常症のようなコレステロールの過剰によものでああれ、血管の内皮に引き起こされる炎症は、結局動脈壁を傷害し動脈硬化へと繋がっていくのです。頸部の内頚動脈狭窄は、細菌やウイルス感染も原因の1つではないかと言われれいるし、高感度の炎症を調べる指標(高感度CRP)によって検査すると、内頚動脈狭窄のある患者さんは、この高感度CRPの値が高いことがわかっています。

7.エピソード:歯科医師から脳神経外科医師への問い合わせ

歯科医師からの問い合わせで最も多いのが、「抗血小板薬や抗凝固薬(この2つを合わせて抗血栓薬と言います)」についてです。

上にも記載しましたが、最近これらの薬を内服している患者さんが歯科受診する機会も多くなってます。きちんと学会のガイドラインを見て学習していればなんら問題はないのですが、不勉強な歯科医師が多くて困ったものです。
その度に、『抜歯の時にも、抗血栓薬は休止しないで下さい。』とご返事申し上げております。止血困難といっても、しばらくガーゼや綿球で圧迫していれば必ず止まりますから。
それよりも、何日も薬を止めたがために脳梗塞や心筋梗塞を再発してしまったらどうするのでしょうか。
もちろん、外科的手術の際には、どうしても抗血栓薬を中止する必要があります。その時にはこれらの、薬は止めても数日はその効果が継続するために、薬によって何日か前に中止しなければいけないのです。そして、そのためのリスクを回避するための処置も要するのです。
本稿の主旨から外れますので、また別のところで考察したいと思います。



基本的に、歯科処置とくに”抜歯”においては、抗血栓薬は継続することが望ましいとなっています。詳しくは、以下のガイドラインをご参照ください(かなり専門的ですが)。

科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン 2010年版

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